姿勢制御に関する考察
2003.1.18
アイボのメカニズムにおいて、自動制御的なフィードバックループで姿勢制御を行うことは難しいだろう。
理由としてはセンサー情報の取得周期が32msと長いこと。制御対象が四肢、アクチュエータで言うと12個のモーターによる関節制御であるため、応答性が悪い、といったことが上げられる。一般的にロボットの姿勢制御を考えるには従来のフィードバック制御的思考は避けなければならないと思う。
例えば水平地に立っている時にふいに床が傾くことを考える。
このとき、床が傾く事を知っていたのなら別だが、まず体が傾くだろう。次に手や足を広げて重心を保とうとする。
そして、それでも耐えられないようだったら重心がずれた側に脚を踏み出してこけないようにする。
このようにセンサーからの情報の遅れとそれに対する動作の遅れを見越して破壊的状況(こけるなど)にならないように動作を運ぶ。
この一連の動作は経験や訓練などで習得しており、連続的持続的動作ではなく、状況に対応したセット動作となっている。
このセット動作を「動作計画」と呼ぶ。